ジリオラチンクエッテイのコンサート
2017.11.20
昨日、イタリアの街並み再現したような中にある川崎のクラブチッタでジリオラチンクエッテイのコンサートを聴いてまいりました。昔、何かの本で某ソプラノ歌手が「私の歌を聴いたら人生観が変わるのよ」と言われたというのを読んだことがあるのですが、昨夜のライブは私にとってまさにそんな感じでした。

このブログに「ジリオラチンクエッテイのライブがあることを知った時にはチケット売り切れで、さんざん迷った末に立ち見席を購入した」と書きました。それをご覧になった方から「友達が入院してしまって行けなくなったチケットを差し上げたい。」とメール頂戴しました。16000円もするチケットです。それも初日と二日目と二枚購入されているとのことで、そういうチケットを流通させているサイトがあることを(私も調べて初めて知って)老婆心ながらそういうサイトに出して入院費にあてられた方が‥ということを書き添えて「それでもなお私にとおっしゃってくださるなら19日の方のチケットを」とお返事を書きました。再度お返事がきてお友達から<大ファンである私に>とのことでスタジオ宛にチケットお送りいただきました。

私は足が悪いので、立ち見はフリップステイックという腰をちょこんと乗せられる杖を持参でいくつもりでしたが、「座席に座って見られるならそんな有難いことはない。」と思ってでかけたようなことでした。会場に行ってみたら、前から三列目の中央のお席。指定席は全席同額のようですが、SS席とでも言いたいような良いお席。二列後ろにはジュデイオングさんが、右斜め後方には中尾ミエさんがおいででした。なにしろ特等席。舞台の前の方に立って歌われるので5メートルぐらいしか離れていません。

幕が上がってジリオラチンクエッテイ登場、「悲しき天使」を歌い始めたら涙が溢れてきて、ハンカチで目元をおさえながら聴くようでした。70歳にしての美貌と抜群のスタイル、それに変わらぬ歌声。バックのミュージシャン10人もイタリアでご活躍のかたたち。「初めて日本に来たのは17歳の時でした。」というようなことから英語でのMCも。休憩30分はさんでいましたが5時に始まって7時半すぎまでのステージ。前半だけでも20曲近く歌ったのではないかと後半は曲を数えるつもりで指を折っていたのですが、一曲ごとに熱い拍手をしていたらやっぱり数がわからなくなって、曲の解説が(曲順ではない)のっているパンフレットをみたら28曲。アンコール2曲ありましたから30曲。アンコールは<ボラーレ>と<夢見る思い>で夢見る思いは会場にマイクを向けて「みなさんご一緒に」とゼスチャーで、大合唱となりました。会場は熱気につつまれて、最後は総立ちでの熱烈な拍手。ジリオラチンクエッテイも目をうるませていました。

本来なら聴きに来られてこのお席に座るはずだった方は今頃、病室のベッドでこのコンサートに想いを馳せているであろうことを思って、何度も何度もその方が良くなりますようにということと、見ず知らずの私にチケットプレゼントくださったことへの感謝の波動が届きますようにと祈るような気持ちにもなりました。その方は席が空いてしまうことを気にされてもいたそうなのです。確かに満席なのにステージの目の前にぽっかり一つ空いていたら気になりそうな位置でもあるのでした。歌われるときに何度も視線が合うようなお席でしたから。

チケット送ってくださった方のご住所が福島になっていて、聴きにこられるはずの入院中のお友達は仙台在住とのことでびっくりしました。首都圏の方と思い込んでいたので「外出許可がでて聴きに来られると良いのに。」と思ったのでしたが、仙台からでは‥。二日間聴きに来られるつもりだったということ、ご自分と同じ熱烈なファンの私にチケットをと思ってくださったお気持ち。この世知辛い世の中に「こんなことがあるなんて。」とひたすら有難く感謝の気持ちでいっぱいです。




2017.11.20 09:32 | 固定リンク | 演奏会

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