フルートと私 その1
2016.09.05
フルートを習い始めたのは高校2年の2月。ヤマハのグループレッスンのようなところに数回通ったところで、同じヤマハで個人レッスンに移行。受験勉強を始めるような頃でしたが、日曜ごとのレッスンに楽しく通うようになりました。小学校2年生の時に始めたピアノは中学生になる頃には止めてしまっておりました。

フルートを始めたきっかけについてはアチラコチラで話しているのですが、高校2年生のときの忘れがたいエピソードがあるのです。放課後にどこからか綺麗なフルートの音色が聴こえてきて、音色に引き寄せられるように行ってみたら誰もいなくなった教室で同級生のSさんが夕陽をあびて一人でフルートを吹いているのでした。レコードなどでフルートを聴くのとちがって、自分と同年齢の彼女がこれだけ美しい音を奏でているということでびっくり。当時、N響の首席奏者だったT氏が仙台に来られて彼女の演奏を聴かれたときに、その音色を褒めたということを後になって知ったのですが、そのときにはそんなことは知りませんから「私でもこんな綺麗に吹けるのかしら。吹いてみたい。」と思ったのでした。

彼女とは高校三年では同じクラスになり、卒業のときのクラスのお別れ会で、ギターとフルート2本で<白いブランコ>など演奏したのでした。彼女のフルートを聴いて憧れて習い始めたフルートでしたから、一緒にフルートを吹くことができて感激。彼女は高校卒業後に日本航空のフライトアテンダントになりました。子供の頃に「将来何になりたい?」と聞かれるとスチュワーデスと答えていた私は、その憧れの職業を現実のものとしてしまった彼女にびっくり。私たちが受験勉強に本腰入れようかというような時期に早々日本航空への就職が決まった彼女を羨ましく思ったりもしました。<身長何センチ以上、 容姿端麗 成績も良くなくちゃ>みたいなことが要件のスチュワーデスに合格した彼女のところには下級生が話を聞きに訪ねてきたりしていました。

卒業後にその彼女とは年賀状の交換だけになっておりましたが、「スタジオを始めました。」と年賀状に書き添えたことで、関心を持ってくださってフルート持ってスタジオに遊びにきて何年ぶりかの再会。その後、月に一度フルート持って遊びに来てくださるようになりました。地元のフルートのお仲間がスタジオに来られたときに彼女も加わって<君をのせて>をアンサンブルで吹いているときに、夕陽を浴びた校舎で(高校三年生の歌詞みたいですが)フルート吹いていた彼女がありありと思い出されて、その彼女と何十年後かにこんな風にアンサンブルをする日がくるなんて‥と思ったら涙が溢れてきてしまいました。

その彼女は世田谷から町田に越されて遠くなりましたし、お仕事も始められて、フルート持ってスタジオに遊びに来るのは年に一度になってしまいました。年に一度でも、私がフルートを始めるきっかけになった彼女と(こちらのフルート友達二人と四人で)合わせることができることを幸せなことに思います。スタジオを始めなかったら彼女とも年賀状の交換のままだったか、もしかしたらそれも途絶えてしまっていたかもしれないと思います。
2016.09.05 13:42 | 固定リンク | つぶやき

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